私は、もう60年近くの長い間、ドレス制作の仕事をして来ました。
自分が生涯を捧げるようにして取り組んできた仕事が、何故ドレス制作だったのかと言いますと、私は、小学校低学年の頃から、何故かお人形さんに洋服を作ってあげて、着せたり着せ替えさせたりと言うことが何より好きな子供でした。
誰かに習ったわけではありませんが、なんとなく、こうではないか、ああではないかと、工夫しながら、段々思うような洋服になっていくことが、何より嬉しいという、一風変わった子供だったのです。それが高じて、小学校6年生の夏休みに、家族がいつも洋服を縫っていただいていた、洋裁の先生にお願いして、本格的な創り方を教えてもらいに行きました。
その時は、スカートや簡単なワンピースの創り方を教えていただいただけですが、それが、ずっとこの仕事を続けることになった原点のようです。
「高校を卒業したら洋裁学校に行く」と、小学生の頃から決めていました。当時、洋裁のプロを目指す人が行く、「伊東衣服研究所」と言う専門家養成の洋裁学校があり、高校を卒業すると、待ちかねたようにそこで学びました。
それまでも、「装苑」とか「ドレスメーキング」と言う雑誌を見ながら学んで、自己流でワンピースやスーツまでは縫えるようになっていました。高校を卒業するころには、友人や、家族のちょっとした洋服は縫ってあげられるようになっていました。本当に好きだったのですね。それが今でも続いていると言う訳なのです。
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